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県外に暮らすTさんご夫妻は、鎌倉に別荘を得てから6年になります。着物が好きで普段から着る機会が多いという奥様にとって、鎌倉は着物姿で散策を楽しめる町。いまではご主人も美しい町の佇まいにほれ込み、朝の散策時にはタバコの吸殻拾いを習慣としているそうです。古都を愛して止まないご夫妻が、いずれ鎌倉に住みたいとの思いを益々強めているのは、昨秋、別荘の隣地に新たに古民家を構えたからでした。
「古家は両親の別荘だったもので秋谷に建っていました。子供の頃から家族と一緒に休みを過ごした家でした」と奥様。その家が取り壊されることになったとき、「古いものを何とか残したい」とご夫妻は心に決めたそうです。設計士さんを介して古民家再生なども手がける地元鎌倉の斉藤建設と出会い、古家の移築と一部改築を託しました。
「斉藤建設さんには急がないようにお願いしました。古い家ですから丁寧にゆっくりやってくださいと」永い時を重ねた家を労わるご主人。それに応えて斉藤建設は腕利きの職人を結集。「大工さんをはじめいい職人さんばかり。皆さんそれは張り切ってやってくれました」とご夫妻は声をそろえます。
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| 1、小屋組みを現した空間に、素朴で野趣のある土壁がしっくりと落ち着く。囲炉裏風のテーブルを置いた板敷きからは一段上がって畳敷きに。部屋の雰囲気に合わせて畳を縁なしにし、床の間のある奥の座敷とさり気なく分けている。
2、
座敷に掲げられた、祖父から伝わる書。実はこの家が建ったのと同じ日露戦争後まもない1906年、東郷平八郎によって書かれたもの。ほかにも受け継がれた古き良きものが、家族の思い出とともに古民家の空間に納まった。
3、生垣や庭木に囲まれた、風情ある平屋。廊下の床下の石場建てを残して、目立たない内側にコンクリートの基礎を打っている。 |
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